最高顧問
日本教育推進財団に期待する 初代最高顧問 野田 一夫 |
企業にせよ財団にせよ、設立には“タイミング”というものがその後の発展を大きく左右する。
もう少し具体的に言えば、設立理念とそれに沿って行われる活動が
その時代に生きている人々にどのように受けとられ、受け容れられるかが、
事業の成否の決定的条件になる。
その意味で今回の「日本教育推進財団」の設立は実にタイミングに恵まれていると言えよう。
衆知のごとくいわゆる “リーマン・ショック” によって、世界の国々が多かれ少なかれ
突然の金融危機を経験し、人々の関心は一時的には経済に集中したかに思われたが、
かつて前例のないほどの国際協調的対応の効果もあって、この危機が一段落したと感じられるや、
人々の関心はごく自然にそれぞれの国固有の国家的課題に回帰した。
わが国の場合、経済的豊かさに反比例するかのごとく増加しつづけてきた各種犯罪、自殺、引き篭り、
いじめ・・・の異常な増加という事実を前にして、良識ある人々は例外なく(単に学校のみでなく、
家庭、職場などを含めての広義の)“教育” の再構築と推進を熱望してやまない。
この時期に発足する本財団がその活動成果によって人々のこの期待によく応え、
日本社会の健全化に大きく貢献することを信じて疑わないものである。
経歴
1927年(昭和2年)6月22日生まれ。愛知県名古屋市出身。
◆学歴・経歴の概要
1952年 | 東京大学社会学科卒業(産業社会学専攻) |
1952年〜55年 | 同大学大学院特別研究生(企業経営論専攻) |
1955年 | 立教大学赴任、助教授を経て1965年教授(〜1989年) |
1960〜62年 | マサチューセッツ工科大学ポストドクトラル・フェロー |
1970〜76年 | 財団法人・日本総合研究所設立に当り初代理事所長 |
1975年 | ハーヴァード大学イェンチン・フェロー |
1981年 | 財団法人・日本総合研究所理事長(〜2001) |
1985年〜87年 | 財団法人・ニュービジネス協議会設立に当り初代理事長(〜1989) |
1989年 | 多摩大学設立に当り初代学長 |
1993年 | (社)日本マネージメントスクール会長(〜現在) |
1995年3月 | 多摩大学学長退任。(4月〜現在 同大学名誉学長) |
1995年4月 | 多摩大学学長代行(〜8月) |
1997年4月 | 県立宮城大学設立に当り初代学長(〜2001) |
2001年10月 | 財団法人・日本総合研究所会長 |
2002年7月 | 財団法人・社会開発研究センター理事長(2006年会長〜現在) |
2006年4月 | 財団法人・日本総合研究所理事長(〜現在) |
2007年12月 | 学校法人グロービス経営大学院理事 |
2008年4月 | 多摩大学学長代行(〜'09年3月) |
◆主な著書、翻訳
- 『現代の経営』 (P.ドラッカー著の翻訳、自由国民社、1958.後ダイヤモンド社)
- 『日本の重役』 (ダイヤモンド社、1960)
- 『戦後経営史』 (編著、生産性本部、1965。日経経済図書文化受賞)
- 『財閥』 (中央公論社、1967)
- 『私の大学改革』 (産能大出版部、1999年)
- 『今、日本の大学をどうするか』 (自由国民社、2003年)
主に企業経営論、大学論などに関する著書・論文多数。